線状降水帯とは何？いつから増えたのか簡単にわかりやすく解説します！

この記事では、

小学生でも理解できるように簡単にわかりやすく解説していきます。

言えば雨が線のように連続して降る気象現象のことを指します。

これは、雲が連続して次々に発生し、一列に並んでいる状態を指します。

この現象では、幅が20〜50km、長さが50〜200kmにも及ぶ場合があります。

この線状降水帯が発生すると、同じ場所で数時間にわたって滝のような激しい雨が降り続くことがあります。

特に、線状降水帯が停滞してしまうと、その地域で集中豪雨を引き起こし、大きな河川の氾濫や土砂崩れなど浸水被害などのおおきな水害をもたらす可能性があります。

線状降水帯の発生メカニズムについて

 

国土交通省　気象庁より引用

なぜ線状降水帯が発生するのかというと、風の収束や地形の影響で雲が発生します。

この雲は、激しい雨を降らせながら上空の風に流され、ゆっくりと移動します。

同じ場所で新たに雲が発生し、再びゆっくりと風下に移動します。

このサイクルが数時間繰り返されると、発生地点から風下の狭い範囲で激しい雨が降り続くことになります。

これが線状降水帯です。

線状降水帯は、連続的に発生する雲とその移動によって形成されます。

そして、この線状降水帯による激しい雨は、雲の発達を促す水蒸気供給や上昇気流を阻害する要因が解消されるか、または雲を移動させる上空の風の流れが変化するまで続きます。

以上が、線状降水帯の基本的な説明です。

線状降水帯がいつから増えたのかその原因について

 

線状降水帯が発生すると、雨雲が連なって数時間にわたり同じ場所にとどまるため、大雨や集中豪雨が起こりやすくなります。

この線状降水帯は最近増えている傾向がありますが、その理由は温暖化が関係していると考えられています。

地球が温まると、蒸発する水の量が増え、雨を降らせる原料である水蒸気も増えます。

また、地球の温暖化により風の流れや気圧の配置も変化するため、雨雲が同じ場所に止まりやすくなるのです。

このような状況が続くと、その地域では雨が降り続けるため、大雨や集中豪雨が発生しやすくなります。

ただし、これは一つの考え方であり、科学者たちはまだ正確な理由を探っています。

地球温暖化が進むと、天候の変化も激しくなると考えられているため、天気予報をしっかり確認し、雨対策を万全にしておくことが大切です。

気象庁の定義では、線状降水帯とは次々に発生した積乱雲が帯状に連なり、数時間にわたって同じ場所に停滞もしくは通過する雨域のことを指します。

この線状降水帯の領域は、約50〜300kmの長さと約20〜50kmの幅を持っています。

積乱雲は一つだけで発生した場合でも大雨を降らせることがありますが、短時間で雨が止みます。

しかし、線状降水帯の場合は、積乱雲が次々と発生し、数時間で通常1ヵ月分の雨量を降らせることがあります。

このため、線状降水帯では災害レベルの大雨が発生する可能性が高いのです。

線状降水帯が発生すると、その地域では浸水や土砂災害などの被害がより起こりやすくなります。

なぜなら、線状降水帯には激しい雨や雷、竜巻などを引き起こす積乱雲が連続して発生し、通過したり停滞したりするからです。

しかし、線状降水帯の発生メカニズムはまだ完全に解明されていません。

そのため、いつ線状降水帯が発生するのかを予測することは難しく、状況が急激に悪化するため、情報は線状降水帯が発生してから発信される方針です。

 

線状降水帯の特徴と他ゲリラ豪雨との違いついて

 

線状降水帯と他のゲリラ豪雨と雨の量や降り方の違いには、いくつかの点があります。

まず、梅雨は春から夏にかけて多くの曇りや雨の日が続く季節現象です。

日本付近で発生する梅雨前線の近くでは雨が降ります。

梅雨前線は暖かい空気と冷たい空気がぶつかったところに発生しますが、同様な勢力の暖気と寒気によって発生した梅雨前線は停滞し、停滞前線とも呼ばれます。

停滞前線で発生した積乱雲のうち、線状に伸びたものが線状降水帯です。

ゲリラ豪雨

 

一方、ゲリラ豪雨は、発達した積乱雲が短時間で局所的に激しい雨を降らせる現象です。

場合によっては雷や突風も伴います。

線状降水帯との違いは、積乱雲の数や雨を降らせる範囲です。

線状降水帯では複数の積乱雲が発生しますが、ゲリラ豪雨ではひとつの積乱雲が雨を降らせます。

線状降水帯の発生メカニズムは、大気の下層と中層の風向きの違いによっていくつかのタイプに分類されています。

そのうちの一つが下層と中層の風向きが同じ、バックビルディング型です。

このタイプでは、長時間にわたって雨が降り続け、災害を引き起こす可能性が特に高いとされています。

地上の近くで温かく湿った風が寒気や山などにぶつかって上昇し、その結果として積乱雲が形成されます。

この積乱雲は上空の風によって運ばれながら雨を降らせます。

積乱雲からの下降気流と地上の風がぶつかると、最初の場所で再び積乱雲が発生します。

このプロセスが繰り返されることで、最初の場所で連続して積乱雲が発生することになります。

発生した積乱雲は中層の風によって運ばれ、雨を降らせながら同じ場所を通過し、次第に弱まって消滅していくのです。

この結果、上空から見ると、強い降水が連続しているように見える線状の降水帯が形成されます。

 

過去の線状降水帯の被害状況について

 

線状降水帯は、特に西日本ではよく発生する傾向がありますが、関東地方や東北地方でも発生することがありますので、全国のどの地域でも起こりうる可能性があると考えられます。

これまでの事例からもわかるように、線状降水帯は大きな災害を引き起こすことがあります。

 

熊本県で発生した2021年7月の線状降水帯は、長さ約280キロメートルにもわたり、約13時間もの間停滞し、大きな被害をもたらしました。

同じ月に大分県で起きた線状降水帯による大雨では、農林水産関係の被害額が4億円以上に上ったと報告されています。

線状降水帯が増えている原因については、気象庁の気象研究所の分析によると、最近の45年間で、線状降水帯による豪雨の頻度が約2倍に増加しているとされています。

特に梅雨の時期である6月と7月は、その増加が4倍にも上っています。

この増加の原因としては、地球温暖化が指摘されています。

地球温暖化による影響で、海からの水蒸気が増加し、それによって積乱雲が発生しやすくなっていると考えられています。

これにより、線状降水帯が次々と発生し、集中豪雨や大雨による災害の危険性が高まるでしょう。

気象庁では、線状降水帯の予測情報を発表していますので、確認されることをおすすめします。

これは、線状降水帯が発生すると予測される時間の6〜12時間前に、特に注意が必要なことを伝えるための発表です。

具体的には、「線状降水帯」というキーワードを使用して発表されます。

ただし、気象庁はこの予測情報だけで避難することはせず、他の情報と併せてハザードマップの確認や避難経路・避難所の準備を行うよう呼びかけています。

線状降水帯の予測情報は、例えば「大雨に関する○○地方気象情報　第〇号　〇年〇月〇日〇時〇分　○○気象台発表○○地方では、〇日の日中に線状降水帯が発生し、大雨災害の危険度が急激に高まる可能性があります。

」といった形で伝えられます。

全国を11の地方単位に分けて発表され、発生する時間帯は地域や時間帯によって異なりますが、「午前中」や「日中」、「未明から明け方にかけて」といった幅広い表現が使われます。

では、線状降水帯は予測可能なのでしょうか？その予測の仕組みを説明します。

線状降水帯を予測するには、積乱雲の発生に関係する水蒸気の量を正確に観測することが重要です。

これによって、積乱雲が発達しやすい状況を予測することができます。

ただし、予測の精度は完璧ではなく、常に改善が求められています。

ですから、線状降水帯に備えて、いち早く注意を喚起するために予測情報の発表や注意喚起が行われているのです。

GPS衛星から送られてくる電波を利用して、気象庁は海上の水蒸気量を推測する仕組みを活用しています。

気象庁は、10分ごとに水蒸気量を把握し、予測しています。

しかし、現在の観測技術では正確な予測は難しいため、水蒸気観測の強化や予測技術の開発を進めています。

 

線状降水帯の予測情報は非常に難しい！

 

気象庁が過去の事例から計算したところ、全国で的中率は2回に1回程度であり、地方では4回に1回程度でした。

また、情報発信をしなかった場合でも、線状降水帯が発生する確率は3回に2回あります。

気象庁は線状降水帯による大雨の予測は難しいとしていますが、線状降水帯が発生しなかった場合でも大雨になる可能性があることに注意が必要です。

情報が発信された場合は、各市町村の避難情報や大雨警報などの防災気象情報と併用し、避難の判断をすることが重要です。

線状降水帯による大雨の予測が発表されなかったとしても、大雨による災害の危険を感じた場合には、防災気象情報全体を活用することが求められています。

 

安全対策について

 

線状降水帯の予測が発表された場合、発生までには半日程度の時間があります。

この間に、自身を守るために具体的な対策を取る必要があります。

例えば、住んでいる地域によって被害の危険性や種類が異なるため、河川の近くや低地に住んでいる場合には、浸水や洪水に巻き込まれる危険性が高くなります。

その場合は、既に避難所が危険と判断されている場合でも、2階建ての住宅であれば2階に、マンションやアパートであれば上層階に避難することが適切です。

土砂災害の危険がある場所では、土砂災害の危険が高い地域から離れた場所へ避難するのが望ましいと言われています。

もし避難が遅れてしまった場合には、崖の反対側の部屋に避難し、より安全な場所に移動して、危険が過ぎるのを待つことが大切です。

高齢者などは、警戒レベル3で避難を開始する必要があります。

警戒レベル3とは、大雨警報や洪水警報が出されている段階で、災害の状況が悪化する可能性があると考えられています。

この段階ではまだ風雨がそこまで強くないため、高齢者などの災害弱者が避難するのに適していると言えます。

また、家族が災害の危険地域に住んでいる場合には、直接連絡をして避難を呼びかけることも重要です。

気象情報や自治体の避難情報を確認することも大切です。

普段と比べて大雨の災害が起きる可能性が高いことを頭に入れ、スマートフォンやテレビなどで気象情報を頻繁にチェックしましょう。

家族や近所の人と相談したり、自治体からの避難情報に耳を傾けたりして、必要な時にすぐに避難できるように準備を進めましょう。

貴重品や着替え、食糧など、避難所に持って行くものの準備をしておくことが安心です。

普段から3日分の食料を準備しておくと、さらに安心できるでしょう。

情報収集のためのおすすめサービス

以下では、気象情報や線状降水帯などの情報収集に役立つサービスを紹介します。

気象庁「キキクル」
「キキクル」は、気象庁が提供するシステムです。

大雨や洪水による「浸水被害」「土砂災害」「洪水災害」の情報を整理し、避難が必要かどうかを教えてくれます。

地図を5段階に色分けして表示することで、危険度が一目で分かるシステムです。

レベル5の黒色は、すでに避難すること自体が危険とされる状況で、災害が起こっているか、切迫している地域を示しています。

レベル4の紫色では、各自治体から避難指示が出されます。

また、「キキクル」には、危険度をスマートフォンのメールやアプリでリアルタイムに通知してくれる無料のサービスもあります。

なぜ線状降水帯の予測は難しいのかについて、以下の3つの理由が考えられています。

第一に、線状降水帯の発生メカニズムには未解明な点があります。

これまでの研究により、線状降水帯の発生メカニズムは以下のように考えられています。

まず、大気下層に大量の暖かく湿った空気が流入し続けます。

そして、この空気が前線や地形の影響で持ち上げられ、雨雲が発生します。

次に、大気が不安定な状態で雨雲は積乱雲にまで成長し、積乱雲群となります。

最後に、上空の風の影響で積乱雲や積乱雲群が線状に並び、線状降水帯が形成されます。

このように、線状降水帯の発生メカニズムの概要は把握されていますが、発生に必要な水蒸気量や大気の安定度、各高度の風など、複数の要素が複雑に関係しており、その詳細はまだ解明されていない部分が多いのです。

したがって、線状降水帯の発生条件や強化、維持するメカニズムについては未解明の点が多く、正確な予測が難しくなっています。

第二に、線状降水帯周辺の大気の3次元分布が正確に把握されていないことも予測を難しくしています。

線状降水帯の予測には、線状降水帯に流入する水蒸気量や大気の安定度、各高度の風など、線状降水帯周辺の大気の状態を正確に把握する必要があります。

線状降水帯は通常、海上から陸上にかけて位置するため、海からの水蒸気供給が大雨の要因となります。

特に海上の水蒸気量の把握が重要です。

また、線状降水帯周辺の大気状況については、地上のアメダスや気象台による観測、高層気象のゾンデ観測、衛星観測などから情報を得ることができますが、海上では陸上に比べて観測データが不足しているのが現状です。

このため、線状降水帯の予測が困難になっています。

第三に、線状降水帯の予測には時間的な制約があります。

線状降水帯は非常に局地的な現象であり、数時間から数日程度の予測が求められます。

しかし、現在の予測技術では、数時間から数十時間先の予測が最も精度が高く、それ以上の時間の予測はより不確定性が高くなります。

このため、線状降水帯の予測は時間的制約のある課題であり、より長期間の予測にはより高度な予測技術やモデリングが必要とされています。

以上のように、線状降水帯の予測が難しい理由は、発生メカニズムや周辺の大気の3次元分布の未解明な点、観測データの不足、時間的な制約などが挙げられます。

これらの課題を克服するためには、さらなる研究と技術の進歩が必要です。

(3)予想のための数値予報モデルには課題があります。

現在の気象庁で使用されている数値予報モデルは、最も詳細なものでも水平解像度が2kmです。

この解像度では、個々の積乱雲の発生や発達を十分に予測することができません。

線状降水帯の予測には、解像度を細かくする必要があります。

また、数値予報モデルに組み込まれている積乱雲の発生や発達を改善する必要もあります。

したがって、現在の数値予報モデルでは線状降水帯を正確に予測することができません。

以上の理由から、現在の観測や予測技術では、線状降水帯がいつどこで発生し、どれくらいの期間続くのかを事前に正確に予測することはできません。

福岡県の朝倉市では、過去の記録を更新するほどの激しい雨が1時間で129.5 mmも降りました。

また、福岡県、大分県、佐賀県の3つの県では、18回の記録的な短時間大雨情報が発表されました。

5日から6日までの降水量は、最も多い場所で500 mm以上に達し、7月の平均降水量を上回る大雨となる地域もありました。

朝倉市や日田市では、24時間降水量が過去最高の値を更新し、これまでの観測記録を更新する大雨でした。

気象庁（気象台）は、災害につながる可能性がある顕著な現象が予想される場合に、円滑な防災活動を支援するために、気象情報を提供し、現象の経過や予測、注意すべき事項などを説明しています。

しかし、前日の4日時点では、九州北部地方に対して大雨に警戒が必要な気象情報は発表されていませんでした。

大雨が直前の5日の昼前に発表された気象情報では、1時間あたりの降水量が40 mm、24時間で100 mm程度と予想されており、5日から6日の記録的な大雨を予測することはできませんでした。

防災気象情報を作成するために使用された数値予報モデル（水平解像度5 kmのメソモデル（MSM））では、線状降水帯や大雨の予測は行われませんでした。

さらに、大雨直前に使用されるより詳細な数値予報モデル（水平解像度2 kmの局地モデル（LFM））では、九州北部地方に帯状の降水域が予想されていましたが、実際の線状降水帯が形成される場所とは異なり、降水量も少なく十分ではありませんでした。

以上のように、線状降水帯による大雨の予測は、場所と時間を正確に予測することは困難です。

後の調査によれば、この大雨の原因は、対馬海峡付近に停滞した梅雨前線に対して、大気下層に大量の暖かく湿った空気が流入し、上空には通常よりも低い気温の寒気が流入したことで、大気の状態が非常に不安定になったためと考えられています。

このような大気状態が続くと、地表の気温が変化する場所で積乱雲が連続して発生します。

寒気が高い空気の影響を受けてこれらの雲が急速に発達し、東に移動することで長い雨の帯が形成されます。

この帯が同じ場所に長時間雨を降らせる現象を「バックビルディング型形成」と呼びます。

この例からわかるように、線状降水帯による大雨を正確に予測するには、海から流入する大量の水蒸気を正確に把握することが重要です。

また、線状降水帯の発生、強化、維持の仕組みを理解し、数値予測モデルで再現できる能力も必要です。

この事例では、前日までの段階では、数値予測モデルでも線状降水帯の発生を予測することはできなかったのです。

また、九州の西から積乱雲の群れが接近してくる兆候も見られず、突然、積乱雲が急激に発達し線状降水帯が形成されました。

このように、線状降水帯による大雨は、現在の観測と予測技術では非常に予測が難しい現象となっています。

一方、線状降水帯が発生すると、大雨被害の危険性が急激に高まることがあります。

そのため、予警を行うために、線状降水帯による大雨の半日前から呼びかけを開始しました。

気象庁では、観測と予測技術の両面で強化を図り、予測の精度を向上させる取り組みを行っています。

さらに、国土交通省が提供する「重ねるハザードマップ」は、自宅や学校、職場などの周辺でどのような災害リスクがあるのか事前に把握することができるシステムです。

洪水や津波、土砂災害などのリスク情報や道路防災情報、地形分布などの情報を選択して、地図や写真に重ねて表示することができます。

また、「NHKのニュース・防災」アプリでは、最大3つの地域を登録することができ、自宅や職場、学校、遠く離れた家族のいる地域など、知りたい地域の災害情報を把握することができます。

天気予報に加えて、発表された防災情報や避難情報も得ることができます。

「Yahoo！防災速報」というアプリは、ヤフージャパンが開発・運営しているものです。

このアプリでは、自分の住所などを登録することで、気象情報や今後起こり得る豪雨予測、地震などのさまざまな災害情報を提供してくれます。

そしてこのアプリにはプッシュ機能も備わっていますので、情報は自動的に通知されます。

また、防災手帳という機能もあり、災害時にどのような行動を取れば良いのかを分かりやすくイラスト付きでまとめています。

最近では水害が増えており、大雨による被害に備えるためには保険加入も考慮する必要があります。

大雨による被害を補償してくれる保険には、加入条件が厳しくなったり保険料が上がったりすることがあります。

しかし、水害補償つきの保険に加入していれば、被害状況に応じて補償を受けることができます。

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